地震学者の石橋克彦神戸大名誉教授は1997年に地震と原発事故の可能性について論文を書いていました。それによるとまさしく今の福島原発の状況と同じ災害連鎖が描かれているそうです。
「大津波をかぶる場所で原発を運転していたこと自体が正気の沙汰ではない」と言っています。
確かにそうなんですが、もう少し言わせてもらえば大津波の来ない場所に原発を建てても良いってわけじゃないんでしょう。
国会でも指摘していたそうですが、国やまわりの利権争いをしている人たちには原発がとてもお金の儲かる仕事と思えてよだれを流していたんでしょうね。
ひょっとして「神風」が吹いて困難な状況にはならないとでも思っていたんでしょうか。
福島原発の爆発時には福島県ばかりでなく関東方面にも風が吹いていたために被害の大きさが心配されます。
いえいえ、こんな風に書いていると、オオカミ少年が「嘘ばかりついていた」と言われていたのが本当にオオカミが来て困っているのに「ほら見ろ。俺を信じないからだ」とばかりに言っているようですね。
じつは私も今のような悲劇は自分の身にふりかかってくるなんて思ってもみなかったのですよ。気持ちの中では「反原発」でしたが何のアクションも起こさずに「原発神話」を信じているほうでしたからね。
オオカミ少年は「オオカミが来たぞ」と言って村の人々が騒ぐのを面白がっていたのじゃなく、本当に村の人々がオオカミに喰われるのを止めたかったのだったら良いのですが…。
嘘つきだと言われていたところに本当にオオカミが来たので「みんな俺を信じなかったんだから喰われてしまえ」と考えてしまうのだけは辞めてくださいね。
少年のイタズラから大きくなった作り話と違うのは「放射能は人を襲う」ということです。そして、出来る限りこの被害を小さくしようとみんなが心に願っているはずなんです。
いや、ごく一部の人たちは、次の選挙がどうなるかとか、退職までなんとかなるかとか、次の天下り先が心細いなとか、自分の身の安全ばかり考えているんでしょうな。
こっちのほうがオオカミよりも怖いかも知れません。
福島県教委は明日から線量再調査をはじめ、低減独自策も作成するそうです。国がなんにもやってくれないまま生徒たちを危険な目にあわせていられませんよね。
子どもたちはこれからの宝です。どんな高価な財産よりも宝なんです。
その宝を大事に次の世代へ受け継がれていくようにすることこそが最重要課題だと思います。