熊谷達也著「相剋の森」を借りてきて読みました。マタギの生活にはとても興味があったので思わず引き込まれて一晩で読んでしまいました。それほど面白い本です。
マタギと熊の関係ばかりでなく、私たちが食している肉が全て動物の死によって与えられていることを改めて思い知らされました。農耕の民は作物に感謝しそれを与えてくれた自然や太陽に感謝するわけですが、狩猟の民はこの命についても感謝しなきゃならないのでしょう。食べている私たちにしたって同じ事です。食卓に並ぶきれいなパッケージに包まれたお肉も動物の殺生から始まっていることを覚えておきたいものです。また農業に関しての考え方も今の自分が理想としているのは間違いじゃないと教えてもらったようでとてもうれしいです。ただマタギが消えていく現実はさみしいかぎりです。
ふと図書室で手にした本ですが、良い本はまだまだありますね。あんなちっちゃな図書室でさえいろいろと学ぶべきものがあるようです。と言ってももう一冊借りてきた本のように一昔前に出版された当時のトレンディなんとかというような本はもう笑えて駄目でした。書いてあるのが都会っ子ぶって適齢期をどう高く売り込もうかという女性たちで、もう笑っちゃうしかないんですよ。当時はこんな生活が都会っぽくてかっこいいと憧れていたんでしょうな。まぁ昔の自分もその一人なんでしょうけど。
山都図書室で今月はかなりの数の本を借りました。活字中毒は一向に納まらないようですが、知識が増えてくるというような事もあんまりないのが悩みのタネです。まぁお気楽読書ばっかりなので仕方のないことです。
あっそれから、先日トシ君から借りた本も良かったです。誇り高きアイヌの人々が自然や神を大事にしているのがわかってとてもうれしくなりました。タイトルはど忘れ。東京育ちと思っていた少女は実はアイヌの血を受け継いでいて北海道に移り住みいろんな事を吸収し大人になっていく話です。
その時、トシ君の大家さんのKさんから借りた「敗戦直後」の写真集もすごかったです。まだまだ知らない事がたくさん並んでいました。ただ憲法についてのコメントが全然足りなかったような気がします。出版したのが20年前くらいだから当時はあまり憲法について関心がなかったようですね。残念。
しかし、こうやって見ると私の好きなものは必ずマイノリティという方向にあるようです。少数派だけど失ってはならない大事なものがあるということを活字で確認していくのが好きなようです。